外国産の豚を輸入する場合、国内の養豚業を保護する等の目的で特別な関税を課す、いわゆる差額関税制度があります。
基準価格を決めておき、それ以下で輸入しようとした場合、その差額を関税として徴収します。
例えば、基準価格100円のところ、外国から豚を安く50円で輸入する場合、差額の50円が関税として課税されます。そこで、悪い業者は、輸入仕入価格を高く申告します。本来の仕入価格が50円のところを、50円分仕入れ価格を水増しして基準価格の100円に近付け、差額関税を免れるという手段がまだまだ横行しているようです。
2008年には大手商社までもがこの差額関税に手を染めていたという新聞報道もありました。
不正取引にペーパーカンパニーの輸入業者等を複数かませることは常套手段です。もちろん海外の輸出業者もグルで、輸出業者、輸入業者とも価格を水増しした虚偽のインボイスを税関に提出し、それをダミー会社へ流します。ダミーからダミーに流され、最終的には水増し分を除いた本来の仕入れ値で不正業者が買い取る手順です。
複数のダミー会社は高く仕入れて安く売りますので、赤字が膨らむばかりですが、当然税務署に申告などしませんし、すぐに解散してしまいます。これが資金の流れや責任の所在を闇から闇に紛れ込ませ、課税、徴収を困難なものにしています。
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