秋葉原の免税店が金製品の循環取引により消費税の免税制度を悪用し不正に70億円もの消費税を国から搾取していたと平成29年月10日付の読売新聞が報じた。
取引の表の流れはこうだ。
①免税店A社は関連会社Bから金製品1000万円を仕入れる(消費税80万円をBに支払う)。
②免税店A社は仕入れた金製品を訪日外国人に売る(消費税免税のため0円)。
訪日外国人は免税商品を日本国内で購入し国外へ持ち帰れば購入時に消費税を払わなくて済む。
③免税店A社は、受取った消費税0円、支払った消費税80万円、差引80万円の消費税還付申告を税務署へ提出する。
国税が調査した裏の流れは、
①免税店A社は関連会社Bから金製品1000万円を仕入れる(消費税80万円をBに支払う)。
②訪日外国人に売ったことにする(書類だけ整える)。
③売ったことにした金製品を仕入先である関連会社Bに簿外で買い取らせる。
*A社とB社間で金製品を循環させるだけで、国から多額の消費税を搾取できる仕組み。
訪日外国人への販売実績がないことの裏付けをとるのは税務調査上大変な困難を伴うが、今回国税は対象となった訪日外国人のツアー工程表調査、名義貸しの事実調査、さらには税関との連携により多額の不正を暴いている。
消費税の税務調査は、年々厳しくなってきている。特に多額の還付申告の場合、いったん還付を保留し、形式上、あるいは実地上の調査を経たうえで還付を実行している。
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